11月1日(金)〜11月4日(月・祝)
銀座和叶 着物展 in 鎌倉
アンティーク・ヴィンテージ着物、帯、組紐、扇子、かんざしなど
11月1日(金)~4日(月・祝)の4日間、東京銀座に店を構える「銀座和叶」のアンティーク・ヴィンテージ着物がイシワタリにやって来ます。今の時代、着物は少し敷居が高いイメージがありますが、ほんの少し前の時代には、日常の服として着ていていたもの。もっと気軽に、もっと自由に着物ライフを楽しんでみませんか?
【銀座和叶 叶明子さんインタビュー】
「車や電化製品などのmade in Japanもいいけれど、日本文化をもっと海外に広げたいと思った」
中高時代、父の仕事の関係でトルコとドイツに暮らしていました。結婚10年の時に、夫婦でヨーロッパを巡り、海外の文化や芸術に触れて改めて思ったのは、日本文化の素晴らしさです。
戦後、車や電化製品などの日本の技術は、「made in Japan」として世界に広がっていきました。ヨーロッパの街を歩けば、あちらこちらで「made in Japan」の文字を見ることができます。けれども、日本の文化や芸術は、街で見かけることはありませんでした。せっかく素敵な文化があるのに、それが世界に知られていないのは、残念なこと。ならば、自分たちが広げていこう! そう思い、始めたのが、「銀座和叶」でした。
最初に目をつけたのは着物です。けれども、外国人が着物を街で着ることはあまりないだろうと思いました。そこで、帯を切って、アートとしてフレームに飾ってみるのはどうだろう?と思い、出してみたところ、思ったほど反響がありませんでした。むしろ、海外の展示会の反響をみると、着物そのものを着てみたい、持っていたいという方が多いことを知り、「銀座和叶」では着物をメインに販売していくことにしました。
「時代の特徴を反映している着物の柄。大正から昭和にかけてのアンティーク・ヴィンテージ着物がおもしろい」
日本の文化を世界に広げたい、そう思い始めた着物の販売ですが、私自身が着物を深く知るようになったのは、実は店を始めてからです。今の時代、着物は何か特別な時に着るもの、または着付け教室に通って、自分できちんと着られる人だけが着られる敷居の高いものというイメージがあります。けれども、ほんの少し前の時代は、日常の服として誰もが着ていたものなんですよね。
ひとことに着物といっても、その素材や柄はさまざまで、例えば、明治時代から大正時代にかけては、モダンではあるものの、優雅で大胆な絵柄が多いのに対し、昭和時代はもっとモダンで尖ったデザインのものやパワフルで力強いものが多いなど、その時代の特徴を表していて、それがとてもおもしろいと思いました。私の心を奪ったのは、この明治時代から昭和のバブル時代までのアンティーク着物やヴィンテージ着物です。特におもしろいのは、バブル時代の着物で、タージマハル柄だったり、ペンギン柄だったりと、遊び心が伝わってきます。バブル以降の着物は、絵柄もおとなしくなり、よく言えば上品、悪く言えば無難な感じになってしまいました。
明治・大正時代は、外国から文化が入り、帽子やステッキといった洋物をうまく取り入れ、おしゃれを楽しんでいました。また、ちょっと帯の位置を変えてみたり、ルーズに着こなしてみたりと、着方にも遊びがありました。ところが、戦後、着付け教室がブームになると、着物はこう着るもの、こうあるべきものというルールが重んじられ、着物はますます市民から遠い存在になってしまったのです。こうした伝統も確かに大事ですが、それでは着物の良さを外に発信することはできません。
「着物は所詮着るもの。ルールに縛られないで、もっとおしゃれを楽しんで!」
古民家スタジオ・イシワタリに出会って、共感したのは、古き良きものを守りつつも、古民家でベトナム料理を出したり、コンサートを開催したりするなど、柔軟なアイデアでその家の良さを発信しているところでした。それは、私たちが、「着物とはこうあるべきもの」というルールをなくして、「着物を楽しんで着よう」と提案していきたい考えと通じるものがありました。
ヨーロッパを旅している時に、素適な扇子に出会いました。その扇子はフランスでデザインされ、スペインで作られているものでした。日本では、扇子というと夏のイメージがありますが、着物に合わせるおしゃれ小物として持ってみたらどうだろう? 「銀座和叶」では、和物に限らず、洋物でも着物と合わせて楽しめるものをどんどん発信していきたいと思っています。着物は所詮着るもの。ルールに縛られないで、もっとおしゃれを楽しんで欲しい。それが、「銀座和叶」が目指す、日本文化の伝承です。
【銀座和叶】
住所:東京都中央区銀座1-23-4
TEL:03-5224-5357
http://www.ginzawakano.com