鎌倉哲学カフェ Vol.7
テーマ「なぜ、日本人はそうするのか?」
【日時】6月1日(土)14:00~17:00
【会場】古民家スタジオ・イシワタリ2階
【参加費】2000円(フリードリンク+お茶菓子付き)
【ファシリテーター】河野哲也氏(立教大学文学部教授)
【使用言語】基本は日本語 ※英語、フランス語対応可
【詳細】https://www.facebook.com/kamakuraphilosophycafe
哲学とは、考え方を考えること。
正解なんてなくていい。いろいろな考えを知り、
新たな自分に気づくのが哲学対話のおもしろさ。
哲学カフェとは、あるひとつのテーマについて、複数の人がそれぞれの考えを述べ、いろいろな意見を聞きながら、対話空間を楽しむもの。1992年に、フランス・パリから始まったと言われています。日本では、10年ほど前に「カフェフィロ」が誕生し、“哲学”という言葉が、徐々に親しまれるようになりました。また、NHK番組の「白熱教室」の影響もあり、近頃は、「哲学っておもしろいかも!」と興味を持つ人が増えてきたようです。とはいえ、“哲学”って一体何?という人も多いことでしょう。
世の中には、「Yes」か「No」で答えなければならないこともありますが、ものごとのすべてに答えがあるわけではありません。哲学カフェでは、あるテーマについて自分の考えを述べ、人の意見を聞き、話を深めていく中で、自分でも気がつかなかったことに気づくことがあります。そういう意味では、人の意識を拡大させる力があります。「話したいことを話してすっきりした」「いろいろな考えを聞いて参考になった」だけではなく、その時間を経て、「自分が変わる」こともできるのです。
批判はあっても、否定はされない
セーフティな対話空間。
今、世の中は“効率の良さ”や“結果”だけが重視され、学校の授業でも、仕事でも、疑問を抱いたり、質問をしたりすることが、いけない雰囲気もあるように思います。
しかし、ここでは、自分の意見や疑問を気兼ねなく声にすることができます。人は生まれ育った環境などにより、いろいろな考えを持っています。ですから、哲学カフェにおいても、意見交換が白熱することがあります。しかし、それが討論会と異なるのは、哲学対話では、批判はあっても否定はしないというルールがあるからです。また、批判するのは、真理に近づくために意見の欠点を補う作業。決して相手をやり込めるためのものではありません。むしろ、真理に少しずつ近づいていくための共同作業でもあるのです。このようなセーフティな対話空間だからこそ、ものごとの本質をじっくり探求することができます。
日本に対する外国人の疑問と向き合い、
日本人の本質に気づく。
「鎌倉哲学カフェ」は、2012年6月にスタートしました。数年前まで“哲学”について何も知らなかった私が、発起人になったのは、立教大学文学部教授の河野哲也先生との出会いも大きかったと思います。場所に鎌倉を選んだのは、大仏近くの切り通しで「やぐら」を見たときに、中国の洞穴文化を思わせる精神性を感じたから。鎌倉の清涼な空気は、思考を純化していく哲学対話の空間として、最適と思いました。
「鎌倉哲学カフェ」の集会は、今回で7回目を迎えます。それまでは、扇ガ谷にある「テールベルト」というカフェで、対話を楽しんできました。今回、古民家スタジオ・イシワタリを選んだのは、鎌倉哲学カフェのスピンオフ企画を考えるにあたり、鎌倉らしい雰囲気の、心地よい対話空間として、古民家がぴったりだと思ったからです。
またテーマも、今までとは少し変え、「なぜ、日本人はそうするのか?」というテーマで、外国人の参加を積極的に募ってみました。三本締めや胴上げなど、私たち日本人にしてみれば、馴染みのあるものも、外国人にしてみれば「?」がいっぱいでしょう。そんな疑問を語り合うことで、日本人の本質を探っていければと思います。外国人と日本人が、ひとつの空間で対話をすることによって、外国人は日本の文化や日本人の精神を知り、また、日本人は日本人の本質を再発見することができるかもしれません。
【プロフィール】
堀田 利恵子 Horita Rieko 鎌倉哲学カフェ主宰
金沢デザイン専門学校卒業後、インテリアデザイナーとして、子ども服等の店舗デザイン・設計に関わる。障害のある息子との文字盤を使用したコミュニケーション法を通して、現象学や当事者研究等に興味を持つ。「学習会サロン」というNPOグループで、障害児・者とのコミュニケーション支援活動を行う傍ら、鎌倉で哲学カフェ主催している。
http://gakushukai-salon.sakura.ne.jp/