募集は終了しました。ありがとうございます。古民家スタジオ・イシワタリでは、ベトナム在住14年の料理家、富澤由紀さんをお招きし、ベトナム料理教室を開催します。日本ではあまり知られていない料理だけど、家庭でも簡単に作れるとっておきのレシピをご紹介。現地の食に関するいろいろなお話しも聞けますよ。
日時 2012年4月7日(土)①午前10時~②午後2時30分~
場所 古民家スタジオ・イシワタリ
住所 鎌倉市長谷1-1-6(江ノ電「由比ヶ浜駅」より徒歩3分)
講師 ベトナム料理家 富澤由紀さん
料金 5500円(簡単な実習の後、試食・レシピ付き)
人数 各クラス2~5名
お問い合わせ・申し込みはこちらへ
古民家スタジオ・イシワタリ 管理人 石渡(いしわた)
メール kominka_ishiwatari@me.com
TEL 080-6597-8515(石渡)
お申し込みフォーム
●お名前
●メールアドレス
●希望の時間 ①午前10時~②午後2時30分~
メニュー紹介と富澤由紀さんからの一言
1. バインべオ 米粉の蒸し物 エビでんぶのせ
米粉の蒸し餅にエビのでんぶやネギをトッピングしたもの
つるんと、何個でも食べられます。
2.エビのライスペーパー揚げ トム・バオ・クアン
きれいなピンク色のエビのすり身をすり身にして作る揚げ春巻きです。
スナックとして食べる料理。ごく簡単に作れるのも魅力的な1品。
3.牛肉の酢しゃぶ
牛肉を酢が入った液でさっと煮てライスペーパーで自分で巻いて食べるおもてなし料理。ゆうなれば牛肉の生春巻き仕立て。
4.緑豆のとろみチェー チェーホアカウ
くず湯のようなシロップに緑豆が浮いている
見ためもきれいなデザートです。
[富澤由紀プロフィール]
大阪あべの辻調理師学校卒業後、99年4月からホーチミン市在住。
京都生まれの大阪育ち。
カルチャー教室オーバーランドクラブにてベトナム料理教室を管理・運営をしています。毎日、市場に買い物に行き料理をする日々の生活や仕事の中から、食材のお話しやベトナム料理のことなどについて皆さまにお届けしていけたらと思います。
共著・ハッピーベトナム、ハッピーハッピーベトナム(双葉社)
~ベトナム在住14年の料理家~
富澤由紀さんのベトナム料理教室
桜咲く、4月初旬。古民家スタジオ・イシワタリでは、ベトナム在住の料理家・富澤由紀さんの料理教室を開催します。今年で在住14年を迎える富澤さんにとって、ベトナムの暮らしは? 大好きなベトナム料理との出会いから振り返ってもらいました。
ーベトナム料理との出会い
ベトナム料理の存在を初めて知ったのは、今から16年前。玖保キリコさんのエッセイに、“巻く女”という生春巻きのエピソードが書かれていて、それがとてもおいしそうに思え、食材をそろえて作ってみたのが、私とベトナム料理の始まりです。その後、ベトナムを旅行し、現地の料理教室に参加してみたら、料理の仕方がとてもおもしろくて、ベトナム料理の虜になってしまいました。
当時、私は調理師学校に在学中で、卒業後の進路も考えてはいたのですが、いろいろと迷った末に、ベトナムに1年ほど料理の勉強に行くことにしました。1年後には日本に戻って、ベトナム料理のレストランで働けたらいいな、なんて漠然と思っていたのです。
ところが、人生は何は起こるかわからないもの。1年で帰国するつもりでいた私は、ベトナムで日本人男性と知り合い結婚、出産。夫が設立したベトナムの文化教室(=Overland Club)で、料理教室の担当をすることになったのです。
ーOverland Clubについて
Overland Clubは、ベトナムの文化と日本の文化をつなぐ場所。主軸となるのは、陶芸家の夫が講師を務める陶芸教室と、ベトナム人の料理家を招き、私が同時通訳をするベトナム料理教室と、私が講師を務める日本料理教室です。その他にも、不定期で他国の料理教室や流しそうめんのイベントなどもしています。
ベトナム料理教室には、短い旅行の間に参加する方もいれば、長期間に渡って料理留学をされる方もいます。ここでは、ベトナム料理を習得できるのはもちろんですが、この教室への参加がきっかけで、ベトナムを好きになったり、生徒さん同士が仲良くなったりすると、こちらまで幸せな気持ちになります。
ーベトナムの暮らしについて
気がつくと、ベトナム暮らしも14年。その間には、いろいろなことがありましたが、「なぜ、そんなに長くベトナムに暮らしているの?」と聞かれれば、ここには家族がいて、仕事もあって、私にとっての生活の場であるからと答えるしかありません。暮らし始めた頃は、プライベートなことを根ほり葉ほり聞いてくるベトナム人をちょっと煙たく思ったり、市場での値段交渉に疲れることもあったけれど、14年も経つとそれも日常。ちょっとやそっとのことでは驚かなくなりました。
だからといって、この暮らしに飽きているかといえばそうでもなく、市場でめずらしい野菜に出会ったり、掘り出し物の雑貨を見つけたりすると、「おっ!」と嬉しくなるし、普段歩かない路地を歩き、古くて素敵な建物に遭遇するとワクワクします。
もう日本に帰りたい!なんてホームシックになったときもあったけれど、なんだかんだと帰らないのは、やはりベトナムの暮らしが自分のペースに合っているのかもしれません。それでも、桜の季節になると、日本に無性に帰りたくなってしまうのですが……(笑)。
ー鎌倉で伝えたいこと
さて、そんな桜に対する思いが強まり、5年ぶりに日本に里帰りをします。滞在中、鎌倉の古民家スタジオ・イシワタリで料理教室を開催する運びとなったのは、以前、管理人家族がベトナムに暮らしていて、一緒に子育てをしていた友人だったから。
実は日本で本格的な料理教室を開催するのは、今回が初めて。どんな料理を紹介したらいいか?と管理人に相談すると、「日本ではまだあまり知られていないけれど、日本でも簡単に作れるベトナム料理」とのリクエストが。「加えて、現地に暮らしいる者ならではのうんちくもね。」
学生時代、タイ料理レストランでアルバイトをしていたとき、厨房でタイの東北地方出身のコックさんが餅米を手でこねて食べていました。その頃、好きで何度も読んでいた東南アジアの食文化の本に、そういう食べ方を東北の農村部でするという写真を見たことがあったので、その人を見ているうちに、気づいたらその人の後ろに農村が広がって、私もそこへ行ったかのような気分になったことがありました。
実際に行けたら一番いいのでしょうが、行ったことがあるなしに関わらず、その地の思いを馳せるというのは、とても楽しいことだと思うのです。私も鎌倉の古民家で、ベトナムの空気が伝えられるような料理教室をしたいなと思っています。
聞き手/石渡真由美 写真/福井隆也